「母の日直前!日本神話に出てくる
インパクト大な母親トップ3!」

毎年5月の第2日曜日は「母の日」ですね。起源はアメリカらしいですが、命あるもの皆「母親」から生まれてきました。改めて感謝の気持ちを伝えられる日を大切にしたいものです。今回は、日本神話の中に出てくる印象的な「母親」を紹介したいと思います。さすが神様!桁外れな伝説が沢山あるのです。ぜひご覧ください。
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「信じてもらえないなんてショック」
コノハナノサクヤ姫

絶世の美女として神話の中でもひときわ目立つコノハナノサクヤ姫。天孫降臨のニニギノミコトが一目惚れして妻に迎えた女神です。コノハナノサクヤ姫にはイワナガ姫という姉がいて、父のオオヤマツミノカミは、姉妹そろって妻に迎えて欲しいと送り出しました。しかし、ニニギノミコトは醜い容姿のイワナガ姫を追い返してしまったのです。イワナガ姫は石のような永遠の命をニニギノミコトにもたらすことができたのに・・・。こうして天孫とその子孫の命は人間と同じように短命になったと言われています。

ニニギノミコト、コノハナノサクヤ姫夫婦がお祀りされている「箱根神社」

話を戻して、ニニギノミコトと一夜を共にしたコノハナノサクヤ姫。なんとすぐにご懐妊しました。ニニギノミコトは「他の神の子ではないのか?」と疑ったのです。コノハナノサクヤ姫は怒ります!そして産屋にこもって火を放ち「もしもこの子が天孫の御子なら、火の中ででも無事に生まれるでしょう」と言って、見事ニニギノミコトの御子をお産みになったのです。これでコノハナノサクヤ姫の潔白が証明されました。綺麗なだけでなく、なんとも大胆な行動をとるコノハナノサクヤ姫。お祀りされている全国の浅間神社には、子宝や安産の御祈願ができるところが多いようです。


東京都大田区にある「多摩川浅間神社」


優しく撫でると子宝に恵まれると伝わる「子産石」

コノハナノサクヤ姫をお祀りする神社
鹿児島県「霧島神宮」
神奈川県「箱根神社」
東京都「多摩川浅間神社」

「見ないでって言ったのに」
トヨタマ姫

トヨタマ姫は、海の神様=ワタツミノカミの娘。美しい女様ですが、真の姿はワニのような容姿だったと伝えられています。そんな海で暮らすトヨタマ姫のもとに現れたのが、山幸彦です。山幸彦は、兄である海幸彦の大事な釣り針を海に落としてしまい探しにやってきたのでした。
出会った二人は恋に落ち結婚します。あまりの幸せに山幸彦も釣り針のことをすっかり忘れたまま数年の時を過ごしました。しかし記憶が戻った山幸彦は、陸へ帰ってしまったのです。この時トヨタマ姫は山幸彦の子供を身ごもっていました。

トヨタマ姫を御祭神とする佐賀市の「与賀(よが)神社」

出産時期と合わせて山幸彦に会うため陸へ上がったトヨタマ姫でしたが、いざ産気づくと「見ないで!出産するところは決して見ないで!」と山幸彦を近寄らせません。見るなと言われると見たくなるのがお決まりです。様子を覗いて、山幸彦は驚きました。トヨタマ姫はワニの姿で出産していたのです!!恥ずかしい姿を見られてしまったトヨタマ姫は大きなショックを受け、産後すぐ海に戻ってしまいます。そして妹のタマヨリ姫に、自分の代わりに子供の面倒を見させたのです。
その後、トヨタマ姫の子供=ウガヤフキアエズは、育ての母であるタマヨリ姫と夫婦になるという展開を迎えます。なんとも複雑なストーリー!!続きは「古事記」を読んでみてください。
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トヨタマ姫がウガヤフキアエズを生んだ場所「鵜戸神宮」


安産祈願に訪れる人が多い

トヨタマ姫に関する神社
鹿児島県「鹿児島神宮」
鹿児島県「龍宮神社」
佐賀県「与賀神社」
宮崎県「鵜戸神宮」

「私が代わりに戦います」
神功皇后

神功皇后は、神社巡りをしているとよく見聞きする名前ではないでしょうか。第14代仲哀天皇の后である神功皇后は、志なかばで崩御された仲哀天皇の後を引き継ぎ、三韓征伐を果たした皇后です。住吉大神の御神託を受けて、渡航した神功皇后は、この時出産を控えていました。戦いの途中で産気づかないように、お腹に石を当ててさらしを巻き、お腹を冷やすことで出産を遅らせたといいます。さらには戦わずして勝利を得たという逸話を持つのです。神がかり的な伝説が多い神功皇后は、「卑弥呼」のモデルとも言われています。

住吉大神の御神託を受け、神功皇后が住吉大神を祀った「住吉大社」

お腹にいた時から霊力を発揮されていた神功皇后の御子は、後の「応神天皇」にあたります。全国にある八幡神社の御祭神、八幡様はこの応神天皇のことなのです。
福岡県の宇美八幡宮は、凱旋後の神功皇后が応神天皇をお産みになった地と伝わっています。「産み(うみ)」の地だから「宇美(うみ)八幡宮」になったと言われているそう。境内には神功皇后が応神天皇をご出産された際に、産湯を使われた場所とされる楠木「湯蓋(ゆふた)の森」や安産祈願の「子安の石」などがあります。


宇美八幡宮の御神木「湯蓋の森」


安産祈願をする「子安の石」

神功皇后をお祀りする神社
大阪府「住吉大社」
福岡県「香椎宮」
福岡県「宇美八幡宮」

いかがでしたか?神話の中には印象的な女神が多く出てきますが、「母親」として考えるとやはり印象的な出産エピソードのある女神「コノハナノサクヤ姫」「トヨタマ姫」「神功皇后」は外せない神々だと思いました。それぞれの神様には、安産の御神徳があるそうです。
昔は今よりも出産は危険なもので、子供が健康に育つことも簡単ではなかったはず。命がけで生命をつないでくれた母親や家族に、母の日だけでなくいつも感謝の気持ちを持ちたいものですね。

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