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龍田大社 ~日本のピンチを救ってきた!良い氣を運ぶ“風”の神様~

創建 約2100年前
御祭神 あめの 御柱みはしらの 大神おおかみ
くにの 御柱みはしらの 大神おおかみ
御神徳 風難排除、五穀豊穣、
氣の守り神様

奈良県生駒郡三郷町に鎮座する龍田大社は、全国でも珍しい“風”の神様をおまつりする神社。実は私たちは、知らず知らずのうちに風に守られていることをご存知だろうか。日本人は昔から風に感謝し、何度も風にピンチを救われてきた国なのだ。はたしてその理由は?風の有り難さと、日本と風との関係に迫る。

風神様に感謝しよう!

「ありがとう」の反対語は「あたりまえ」だと言われることがある。当たり前すぎて、その有り難みが実感できないでいるのは残念なことだ。しかし私たちのまわりで“当たり前”になっていることは意外と多く、「風」もそのひとつかもしれない。目に見えず触ることもできない風だが、日本人は昔からこの風に助けられてきた。
 

風と農耕民族

まず風は、農耕と非常に深い関わりをもっている。私たちの主食であるお米を育てる稲は風媒花(ふうばいか)と言って、風によって受粉する作物なのだ。風が吹かなければ豊作は見込めない。また太陽の恵みが届くよう雲を晴らしてくれるのも風。風のおかげで食卓に美味しい食物が並んでいる。
しかしその逆で、凶作の原因になる台風を起こすのも風。日本人は昔からこの見えない風に、恐れや感謝の念を抱いてきたに違いない。
 

風は良い氣を運ぶ

窓を閉め切った部屋に数時間居続けることは、きっと難しい。外の風を入れないままだと「なんだか嫌」な気分になるはず。この「なんだか」を作っているのも風。風が通ることで私たちはリフレッシュでき、良い気分を感じることができる。良い氣をもたらすのもやはり風なのだ。
 
このように、風は思っている以上に私たちの生活を豊かにしてくれている。そんな風の神様をおまつりしているのが、今回ご紹介する奈良県生駒郡の「龍田大社」だ。

龍田大社の大鳥居

龍田大社の大鳥居

奥ポイント

龍田大社創建の理由

2100年前のお告げ

龍田大社の創建は今から約2100年前の第10代、崇神(すじん)天皇の時代。全国で疫病が流行り凶作が続いて国が騒然としていたときに、天皇の夢に神様があらわれて

「わたしを朝日の日向かう処、夕日の日隠る処の龍田の立野の小野に祀って欲しい」

というお告げがあった。
朝日の日向かう処、夕日の日隠る処はつまり「西」ということ。そこで当時の奈良の都から西側にあったこの地に、神社を創建したのだ。するとたちまち疫病が鎮まり、豊作に転じたという。

龍田大社の社殿と燈籠の写真

創建は2100年前までさかのぼる

また地理的に見てみると、ここは大和川によって山脈が二つに切れているところ。山脈は龍脈とも考えられるためここはいわゆる「龍穴」にあたるのだ。その龍穴を通って奈良の盆地に風(氣)が流れてくるため、神様をまつることで都に良い氣を広めようと創建されたのが龍田大社なのだ。

山脈の切れ目から入ってくる氣は龍田大社を通って都に流れていた

山脈の切れ目から入ってくる氣は龍田大社を通って都に流れていた

龍田大社のご祭神とは

ペアの神様「龍田風神」

龍田大社の神様、「龍田風神」とは
●天御柱大神(あめのみはしらのおおかみ)
●国御柱大神(くにのみはしらのおおかみ)
の2柱のこと。別名、志那都比古神(しなつひこのかみ)と志那都比売神(しなつひめのかみ)ともいう。一般的に男神と女神と考えられ、陰陽を表すペアの風神様だ。

龍田大社のご祭神は龍田風神という

龍田大社のご祭神は龍田風神という

一方、摂社で祀られているのは
●龍田比古命(たつたひこのみこと)
●龍田比売命(たつたひめのみこと)
この2柱は、龍田大社の創建以前からこの地を守護してきた氏神様の夫婦神と考えられる。「龍田」という地名は初代神武天皇即位のころには既にあったと伝わっている。

奥ポイント×2

龍田さんを一躍有名にした事件とは

神風が日本を守った

古来、都に良い氣をもたらし五穀豊穣の神様として信仰されてきた龍田大社が一躍脚光を浴びた事件がある。それが「元寇」だ。 
 
鎌倉時代、モンゴル帝国が2度にわたって日本に攻めてきた時(蒙古襲来)、日本国内の主要な神社仏閣では御祈祷が行われたそう。そしてモンゴル帝国の艦隊は2度とも嵐に遭い、日本侵攻は失敗に終わったのだ。
 
このとき、「龍田大社の本殿から袋のようなものが飛んでいき、元(げん)の船の上で開いて風が起こった」という噂が国中に広まっていった。
こうして国難を救った“神風”を起こした龍田大社は、一躍有名になったのだ。
 

伊勢神宮の風神様が昇格?!

伊勢神宮は125もの社から成り立っているが、内宮・外宮両方の境内でまつられている神様は「風神様」だけなのをご存知だろうか。
内宮では「風日祈宮(かざひのみのみや)」、外宮では「風宮(かぜのみや)」として風の神様がおまつりされている。
昔は小さなお宮だったそうだが、元寇での国難を救ってくださったご霊験に応え、「別宮」に昇格。現在は、正宮(天照大御神・豊受大御神)の次に丁重に祀られている。
 
また大東亜戦争のときも伊勢のあたりはたいへんな空襲を受けたが、奇跡的に内宮外宮に焼夷弾が直撃することはなく大きな被害を免れた。この奇跡にも風の神様は関係しているに違いない。
 
日本のピンチを救ってきた!それが風神様なのだ。

伊勢神宮内宮の別宮「風日祈宮」

伊勢神宮内宮の別宮「風日祈宮」

奥ポイント×2

陰陽さがしのオススメ参拝

では実際に、龍田大社の境内を歩いて見所をみてみよう。龍田大社は、『陰陽五行説』を大切にしている神社だ。境内にはそのメッセージがたくさん隠れている。
 

拝殿の柱に巻かれた注連縄

まず拝殿の柱に巻かれた縄に驚くだろう。これは氏子たちが奉納し、前年の1年間祝詞殿に飾られていた注連縄。下から上に巻き上げられた注連縄はまるで昇り龍のよう。※ちなみに龍は風神様の眷属(けんぞく:神様の遣い)

龍田大社の拝殿柱には陰陽で巻かれた注連縄がある

拝殿柱には陰陽で巻かれた注連縄がある

よく見ると巻き上がる方向が左右で逆になっている。これは陰陽のバランスを保ってのことらしい。
●反時計まわり=陽
●時計まわり=陰
 

本殿にも陰陽が隠されている

本殿にも陰陽の考えは反映されている。たとえば天御柱大神と国御柱大神、龍田比古命と龍田比売命はそれぞれ陰陽(男女)のセットとして考えられる。それは千木の形をみると分かる。

龍田比売命(女神)の本殿
龍田比売命(女神)の本殿

龍田比古命(男神)の本殿
龍田比古命(男神)の本殿

通常、千木は「外削ぎ=男神」「内削ぎ=女神」と言われているが、ここで重要なのは千木の削ぎ方によって変わる「穴の数」のほう。
●外削ぎだと穴の数が3つ=奇数=陽=男神
●内削ぎだと穴の数が2つ=偶数=陰=女神
という考え方で陰陽を分けている。
 
ちなみに神道では基本的に神様から見て左側を上位とするが、龍田大社の場合は向かって左側(陽)に男神(陽)をおまつりしているため、通常の神社と男神女神の位置が逆になっているのも特徴だ。
 

祈祷参集殿の中がすごい!

祈祷参集殿の扉を開けると、思わず感嘆の声が漏れる。

龍田大社の祈祷参集殿は五行の色で作られている

龍田大社の祈祷参集殿は五行の色で作られている

陰陽五行の色「青」「赤」「黄」「白」「黒」の色が室内を覆っているのだ。室内に入るだけで自分の五氣のバランスが整うような気がする。
  
明治の神仏分離令によって別々にされた神道と仏教だが、神社の長い歴史を振り返ると神仏習合の考えでないと説明できないことが多い。龍田大社の境内で見られる陰陽の要素から、明治以前の日本の信仰を感じてみよう。

末社の白龍神社ほか

白蛇として現れた神様をまつる白龍神社

江戸末期から明治初期にかけて境内に出現していた白蛇。突如姿を消し騒然となったそうだが近くの池で発見された。社がなかったため出ていかれたのでは?という話になり石の祠を建て神様をお迎えしたのが白龍神社のはじまりだ。お水を石にかけて良縁や安産祈願などをする人が多いそう。

龍田大社の末社「白龍神社」

龍田大社の末社「白龍神社」

西宮神社からお迎えした神様、龍田恵美須神社

正月の「福男」で有名な西宮神社から分霊した神社のなかでも、比較的古い神社になると伝わっている。

龍田大社の末社「龍田恵美須神社」

龍田大社の末社「龍田恵美須神社」

三室稲荷神社

創建鎮座が定かではない古社。商売繁盛の神様として参拝者が絶えないお社だ。

龍田大社の末社「三室稲荷神社」

龍田大社の末社「三室稲荷神社」

龍田大社の御朱印を解読

御朱印を読めばその神社のことがもっと分かるかもしれない。龍田大社の御朱印にはどんな意味が込められているのだろうか。

龍田大社の御朱印は、「参拝」ではなく「風神」と書かれてある。
 

御神紋の「八重の楓」

龍田大社の御神紋は「八重の楓(やえのかえで)」。8枚に分かれた楓の葉は、良い氣が四方八方に広がる様子を表している。毎月1日のみおこなわれる「御神縁祈願祭」に参列すると、龍田大社オリジナルの御朱印帳と、八重の楓の印が押された特別御朱印を授与していただけるそう。御神縁祈願祭は前々日までの完全予約制になっている。

八重の楓の御神紋と紅葉時期の楓

八重の楓の御神紋と紅葉時期の楓

奥ポイント

カッコイイ!おすすめ授与品

必要な気を授かる風神護符

人は生まれたときから天から五行の気、すなわち五気を授かっているらしい。しかし中にはこの五気が足りなかったり多すぎたりする場合も。
そこで龍田大社ではその人の足りない気を補い多すぎる気を抑えて、バランスの良い気の力によっていつも心楽しく過ごせるよう、五行の力に基づいた5色の「風神護符」というお守りを授与している。

龍田大社の貴重な「風神護符」

龍田大社の貴重な「風神護符」

この風神護符は5種類の色から選ぶことができる。また宮司による鑑定祈祷で唯一無双の護符を作っていただくことも可能。こちらは要予約となる。龍田大社の護符は非常に特別なものなので、お返しする際は必ず龍田大社にお戻ししよう!
 
ほかにも「風神」の文字が描かれた御守りや、眷属(けんぞく)である龍神様が描かれた御守りなども人気だ。

龍田大社の風神守り

龍田大社の風神守り

おわりに

今回は風の神様をおまつりする龍田大社を紹介した。すぐ近くの斑鳩町には法隆寺建設時に鎮守社として勧請された「龍田神社」もあるので間違えないように注意しよう。

私たち日本人は、知らず知らずのうちに風の恩恵を受け、歴史上何度もピンチを救っていただいている。見えないけれど確かに感じる風に感謝し自分自身の「気」を整えたいという方は、ぜひ龍田大社へ参拝してみよう。

基本情報

神社名

龍田大社 ~Tatsuta Taisha~

住所

〒636-0822 奈良県生駒郡三郷町立野南1丁目29−1
1-29-1, Tatsunominami, Ikoma Gun Sango Cho, Nara Ken, 636-0822, Japan

アクセス

JR大和路線「三郷」駅より徒歩5分

HP

http://www.tatsutataisha.jp/

こんな方におすすめ

龍好き、占い好き、知る人ぞ知る神社

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