田倉牛神社

田倉牛神社
~こんな神社見たことない!牛たちがご縁を結んでくれる神社~

創建 江戸時代初期頃
御祭神 お牛様(牛頭天王ごずてんのう)
御神徳 五穀豊穣、交通安全、縁結び など

岡山県備前市で面白い神社に出会った。田倉牛神社(たくらうしがみしゃ) は、境内のあちこちに備前焼の牛像が奉納されている珍しい神社だ。はたしてここには、どのような神様がいらっしゃるのか。なぜ牛像を奉納するのか。異様だけど面白い!ご縁を結んでくれると噂の田倉牛神社を紹介する。

田倉牛神社はどこにあるの?

参拝には車がオススメ

まずは、田倉牛神社(たくらうしがみしゃ)の場所を確認しよう。岡山県備前市吉永町にある、田倉牛神社の最寄り駅はJR「吉永」駅。徒歩だと駅から30分ほどかかってしまうため、参拝に行く時は車が断然オススメ。住所をナビに設定すれば、JR山陽本線の線路沿いにある、無料駐車場にたどり着く。

山と畑と、真っ直ぐ伸びる線路。なんとものどかで美しい風景が迎えてくれる。線路の向こうに鳥居が見えた。

奥ポイント

田倉牛神社の神様と、牛像を奉納する理由

田倉牛神社の神様は

田倉牛神社の神様は、お牛様として地元の人に親しまれている。かつては「牛頭天王(ごずてんのう)」という神仏習合の神様としておまつりしていたそう。明治時代に神仏分離令が出される前は、牛頭天王はスサノオノミコトの本来のお姿と考えられていたのだ。疫病や天変地異といった厄除けの神様として信仰され、この地に祀られたのである。

どうして牛像が奉納されているの?

では、どうして田倉牛神社は牛の像を奉納するようになったのか?それは、江戸時代の岡山藩が農業振興策の一つとして、農家に牛を飼うことを推奨し、各村に一カ所ずつ、神様をまつる祠(ほこら)を設けたことが一因とされている。村人たちは、農耕牛の健康を神社で祈願していたという。トラクターなどない時代、牛の健康は農作業に大きな影響を与えていたのだ。
田倉牛神社は、徐々に”農耕の神”として信仰を集めていき、備前焼の牛または馬が多く奉納されるようになったと言われている。

さっそく!鳥居の先の燈籠に牛像を発見!!農耕の神なだけあって、お米が奉納されている場所もあった。

牛像を持って、いざ参拝しよう

まずは子牛像をゲット

それではさっそく田倉牛神社を参拝してみよう。こちらの参拝方法は少々変わっている。まずは、鳥居の先にある奉納品授与所で備前焼の子牛像をいただこう。奉納料は1000円(お供え牛950円+お線香とロウソク50円)。建物の奥には窯元があり、実際に牛像の"型"も置いてある。ちなみに型自体は、ご縁があって、焼き物で有名な有田の「山辰製型所」という型屋さんが作ってくれているらしい。

子牛像を持って中に進もう

階段を登ると、右手にさらに続く階段がある。ここの大きなお牛様は、足が悪くて階段上のご神体まで会いに行くことが難しい参拝者のための祠。悠然と座るお牛様のそばに多くの子牛像が集まっている。元気がある人は階段を登ってご神体に会いに行こう。

田倉牛神社の鳥居
鳥居の先の階段を進もう


鳥居のそばには備前焼の牛像たちがいる

急な階段を登ると、開けた場所に出る。そして目の前に現れたのは、無数の牛像でできたピラミッド?!ご神体である石で彫刻された牛が見えなくなるほど数多くの牛像が奉納されている。その数10万とも、20万とも、30万とも!!もう数えきれません。。。

お牛様のピラミッド?

正しい参拝方法がある

子牛像をただ奉納するのではなく、すでに祈願者がお供えした牛像一体を持ち帰るのが田倉牛神社に伝わる参拝方法と言われている。そして願いが叶ったあかつきには、借りた牛像と、もう一体新しい牛像とをセットにしてお供えするのだ。
※しかし最近は、すでにある牛像と交換するのではなく、自分が授与所でいただいた子牛像を持ち帰っても良いとされている。

参拝方法
①授与所で子牛像をいただく
②すでに祈願者が奉納した子牛像と交換する(または、自分がいただいた子牛像を、いったん奉納・祈願してから持ち帰る)
③成就したら御礼に行く
④持ち帰った子牛像と、新しい子牛像を合わせて奉納(最近では、ずっと同じ子牛像を持ち続けても、既に奉納されているものと交換しても、新しい子牛像を持ち帰ってもOK、ご縁があると感じた子牛像をそばに置いておこう)

奥ポイント×2

神社のまわりの不思議なご縁

都会から家族で移住、神社のそばで多くの縁を感じている

あらためて、田倉牛神社とはどんな神社なのか、奉納品授与所の方にお話を聞いてみた。
授与所の女性は、以前は関東で暮らしていたそう。しかし約20年前、ここの神社の管理人を募集していることを知り、家族とともに移住を決意したという。神社の管理の他に、焼き物作業や農作業などをされ生活している。田倉牛神社の魅力について語ってくださった。
「ここの田倉牛神社は、農耕の神、五穀豊穣の神様として、昔から信仰されています。最近では牛肉や乳牛といった牛に関する協会の方が参拝にいらっしゃる事も増え、"牛の聖地"のような場所になっています。ですがそれだけじゃなくて、合格祈願、家内安全など様々な祈願で訪れる人がいますよ。わたし個人としては、ここは良いご縁を沢山結んでくださる神様だと思っています。」と、話すそばから「脱穀機はどうする?」と農家の人が訪ねてきた。確かに神社を中心にご縁が結ばれていっているようだ。

お牛様が奉納される神社とは

特に神殿があるわけでも、神主さんがいるわけでもない田倉牛神社。管理は村の人たちで協力してやっており、境内は清潔に保たれている。毎年正月五日の大祭には、近郊から多くの参拝者が訪れ、境内が埋め尽くされるそう。それだけ多くの人が、田倉牛神社を信仰し、恩恵に感謝しているのだ。

1月5日の大祭の日は事故防止のため、無料駐車場は閉鎖となる。大祭の日は臨時駐車場が近辺に設置されるので、そちらをご利用ください。

祈りが届く小さな聖地

今回は、備前焼の牛像を奉納する珍しい神社「田倉牛神社」を取材した。
普通の神社とは少し変わっているが、人々が願い続ければ、神様は本当にそこに降り立たれるのかもしれない、と感じる興味深い神社だった。奉納品授与所には牛像以外にも様々な牛アイテムや動物に関するグッズがあり、ほっこり和ませてもらえる。
素朴な祈りが神様に届き続けている小さな聖地、田倉牛神社。ご縁を感じる人は、ぜひとも訪れてみてほしい。

基本情報

神社名

田倉牛神社 ~Takuraushigamisha~

住所

〒709-0222 備前市吉永町福満989-2
989-2, Yoshinagacho Fukumitsu, Bizen-shi, Okayama, 709-0222, Japan

アクセス

JR山陽本線吉永駅下車 徒歩約30分
車の場合、山陽自動車道備前ICから約15分

HP(観光協会)

http://bizen-kanko.com/spot/spot_detail/index/113.html

こんな方におすすめ

珍しい神社が好き、動物好き、田舎が好き、移住したい、縁結び

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