早朝神社に行くと、サッサッと庭を掃く神職の方の姿をよく見かけます。御祈願の時に祝詞を奏上し、儀式を進めてくださるのも神職の方です。
「神職」とは、神社の祭儀や事務に従事する人達の総称で、神意を私たちに伝え、私たちの願いを神に届けてくれる、神様と人との仲介役のような存在です。戦前は男性に限られていたそうですが、戦後は女性も資格を取得すれば神職になれるようになりました。
普段の参拝でお話をする機会はあまりありませんが、神職の皆さんのおかげで私たちはいつでも気持ちよく神社を参拝することができているのです。
神職には「職階(しょっかい)」という役職分けと、「階位(かいい)」という資格分けがあります。
一般的な神社の「職階(しょっかい)」は、上から
宮司(ぐうじ)→権宮司(ごんぐうじ)→禰宜(ねぎ)→権禰宜(ごんねぎ)。そして神職見習いの出仕(しゅっし)
の順となっています。「権(ごん)」とは副や仮という意味です。
一方、「階位(かいい)」とは役職に就くために必要な資格のようなもの。この資格によって就くことができる職階が決まってきます。上から
浄階(じょうかい)→明階(めいかい)→正階(せいかい)→権正階(ごんせいかい)→直階(ちょっかい)
となります。これは神道が大事にしている精神「浄(きよ)き明(あか)き正(ただ)しき直(なお)き心」を表しているのです。
さらには「特急」「一級」「二級上」といった「身分」制度もあり、これによって装束の色が区別されるようです。
※神社本庁が定めたものであるため、所属していない単位神社などでは異なることがあります。
宮司とは、その神社の長として祭祀や社務を司り、神社の信仰と伝統を守る責任者。つまり企業でいう「社長」のような存在です。各神社に宮司は一人しかいません。また全国には8万社以上の神社があると言われていますが神職の数は約2万人。そのうち宮司は約1万人です。圧倒的に人数が足りておらず一人の宮司が数社兼務している場合もあります。
神職と違い、巫女には特に資格や階級がありません。巫女はお守りや神札を授与したり神楽を舞ったり、神職を補助するような立場にあたります。※神社により異なる場合があります
巫女の起源は古事記の中に登場する「アメノウズメノミコト」。天の岩屋戸にお隠れになってしまったアマテラスオオミカミに再び外に出ていただくため、アメノウズメノミコトが岩の前で踊った姿が巫女の原型とされています。
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