意外と知らない陵墓の歩き方
御陵印めぐり
全国の天皇陵を訪れた記念に捺印してもらえる、「御陵印」というものがあるのをご存知ですか?戦前にはこの御陵印集めがブ―ムとなっていて、御陵印を集めるための集印帳『山陵宝典』というものもあった程だそうです。
昔は各山陵でいただけた御陵印ですが、いまは全国に5ヵ所ある陵墓監区事務所でいただくことができます。
■桃山陵墓監区事務所
■月輪陵墓監区事務所
■畝傍陵墓監区事務所
■古市陵墓監区事務所
■多摩陵墓監区事務所
御陵印の種類は91個です。印は無料でいただけます。
ここで認識しておきたいのが御陵印と、御朱印との違い。神社の御朱印は神様と参拝者にご縁ができた証、参拝の証なので初穂料をお納めします。同じ「記念のスタンプ」というくくりではありません。
天皇陵はほとんどが近畿地方
さきほど、陵墓は山形~鹿児島まであると言いましたが、天皇陵に限っていうとそのほとんどが近畿地方に集まっています。
神武天皇陵がある奈良県の飛鳥や大和地方、仁徳天皇陵が有名な大阪摂津・河内地方、京都府には一番多くの天皇陵が集結しています。大正天皇からは、東京都八王子市の武蔵野墓地に陵が設けられるようになりました。
これら以外の香川や山口、淡路島など少し遠くに山陵を構えられた天皇は、流罪となった天皇(上皇)などです。山陵の位置から複雑な歴史的背景を感じることができます。
仁徳天皇陵(大仙古墳)は大阪府堺市にある
唯一無二の陵
第40代天武天皇と第41代持統天皇の夫婦は、同じ檜隈大内陵(ひのくまのおおうちのみささぎ)に眠られています。天皇同士の夫婦が同じ陵で眠られているのは、他に例がありません。また、天武天皇は土葬であるのに対して、仏教を信仰していた持統天皇は火葬で埋葬されているというのも特徴的です。さらに昔、盗掘に遭っているため内部の情報が詳細に知られているのも珍しい例と言われています。