夏至の日こそ特別な神社巡りができる!太陽と神社の謎を解こう

今年の「夏至(げし)」は6月22日。夏至とは夏の真ん中のことで、一年でもっとも陽が長くなる日とされています。つまり一年で一番、太陽神「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」を長く感じられる日!これはなんだか神社とも関係が深そうですよね!
まさにそうです。実はさまざまな神社がこの夏至と深い繋がりをもって創建されているんです。今回は、夏至の日こそ訪れたい特別な神社巡りを紹介します。

二見興玉神社の夫婦岩から昇る朝日

二見興玉神社の夫婦岩

まず紹介するのは三重県伊勢市にある二見興玉(ふたみおきたま)神社。伊勢といえば「伊勢神宮」が頭に浮かびますが、この二見興玉神社は、昔お伊勢さんを参拝する前に海に入って禊をしていたところで、伊勢神宮と深い繋がりを持つ神社です。ご祭神は猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)。道開きの神様とされています。
二見興玉神社は、「日の出」の名所としても有名で、沖合にある「夫婦岩」の間から太陽が昇る時期は特にその姿を拝もうと多くの参拝者が訪れます。

二見興玉神社の夫婦岩

二見興玉神社の夫婦岩

特に「夏至祭」といって夏至の日の早朝から斎行されるお祭りは特別です。毎年夏至の頃に、富士山の山頂から太陽が昇り、それが夫婦岩の間を通って高く昇っていくのです。
太陽が長く日本を照らす日に、ちょうど富士山の上から昇ってくる太陽が夫婦岩の間を通っていく・・・そんな光景に人々は神様を感じたに違いありません。毎年多くの見物者が集まるようです。

桜井神社・櫻井大神宮にも夫婦岩があった!

伊勢とつながる神社

福岡県糸島市にある桜井神社・櫻井大神宮は、先程紹介した伊勢の二見興玉神社と深い関係があります。
この神社のすぐ近くにある二見ヶ浦(ふたみがうら)に同じように夫婦岩があり、神様として祀られているのです。しかも夏至の日、この夫婦岩の間になんと!夕陽が沈んでいくというではありませんか。偶然とは思えません!伊勢の夫婦岩の間から昇った太陽が、糸島の夫婦岩の間に沈んでいくということです。なんともアメイジングな一日!

福岡県糸島市の二見ヶ浦にある夫婦岩

糸島市の二見ヶ浦にある夫婦岩

一方は「伊勢志摩(いせしま)」、こちらは「糸島(いとしま)」。名前の響きもそっくりですね。そんな桜井神社の境内にある「櫻井大神宮」は、お伊勢さんと同じ神様、アマテラスオオミカミとトヨウケノオオミカミをお祀りしています。お伊勢さんの式年遷宮で取り換えられた古い鳥居の一つがここに譲られているようです。ご縁がありますね。

櫻井大神宮の鳥居
お伊勢さんから譲られた鳥居

櫻井大神宮の社殿
櫻井大神宮の社殿

伊弉諾神宮は夕日の神様

伊弉諾大神と天照大御神の関係

兵庫県の淡路島に鎮座する伊弉諾神宮。名前の通り、伊弉諾大神(イザナギノオオカミ)をおまつりしています。イザナギノオオカミはアマテラスオオミカミをお生みになった神様ですね。

伊弉諾神宮の御拝殿は舞殿を兼ねた入母屋造り

伊弉諾神宮の拝殿

アマテラスオオミカミが「朝日の神」であるのに対して、イザナギノオオカミは「夕日の神」と言われているのをご存知ですか?これは、夏至ともなにか関係がありそうなニオイがしますね!
実際に、伊弉諾神宮にはこのようなモニュメントがあります。

伊弉諾神宮の「陽の道しるべ」モニュメント

「陽の道しるべ」のモニュメント

「陽の道しるべ」のモニュメントです。
まず、伊弉諾神宮は伊勢神宮内宮と同じ緯度に建っているようです。そして、気になる夏至の日には、伊弉諾神宮を中心として見たとき、朝日は信濃国一宮「諏訪大社」の方角から昇って、夕日は出雲大社の方角に沈んでいくことが分かっています。
他にも冬至の日には、熊野那智大社~九州の高千穂神社へ太陽の弧が描かれます。伊弉諾神宮は、太陽の動きをよく見て建てられた場所のようです。
詳しくは別記事⇒「伊弉諾神宮 後編~太陽で結ばれた神様の縁、夫婦円満・縁結びの地~」をご覧ください。

元伊勢内宮皇大神社の特別な山とは

最後にご紹介するのは、京都府福知山市にある「元伊勢内宮皇大神社」です。

元伊勢内宮皇大神社の拝殿

元伊勢内宮皇大神社の拝殿

元伊勢と言われる伝説が残る神社のひとつです。この神社から歩いて10分ほど山道を進むとこのような光景に出会います。

元伊勢内宮皇大神社の御神体と言われる日室岳

元伊勢内宮皇大神社の御神体と言われる日室岳(ひむろがたけ)

元伊勢内宮皇大神社の御神体とされる日室ヶ嶽(日室岳)です。ピラミッド型のような美しい山は思わず手を合わせたくなるようなお姿。一願成就の神体山として古くから信仰されています。
そして夏至の日、この遥拝所から日室ヶ嶽を見ると太陽が山頂にちょうど沈んでいくのです。お伊勢さんと元伊勢をつなぐのはやはり太陽なのですね。
ちなみに、この元伊勢内宮皇大神社を含む、近畿地方に点在する聖地を結ぶと「五芒星」になるとか?!伊勢神宮、熊野本宮大社、伊弉諾神宮、元伊勢、伊吹山を結ぶと出てくるそうです。気になる方は確認してみてください。

おわりに

他にも、夏至の日に特別な太陽との結びつきを感じる神社は全国にあるはずです。神社が建てられている場所ひとつとっても、大昔からのメッセージが込められているんですね。
一年で一番ながく太陽が拝める夏至の日。ぜひお近くの神社にいって太陽への感謝を伝えてみてください。

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