姫嶋神社
himejima jinja

姫嶋神社 前編
~美しくて力強いやりなおしの神様~

創建 不明
御祭神 阿迦留姫命あかるひめのみこと
住吉大神すみよしのおおかみ
神功皇后じんぐうこうごう
御神徳 再起復活
女性の開運招福・心願成就
美人祈願など

大阪市西淀川区に鎮座する「姫嶋神社」は、通称「やりなおし神社」として信仰されている神社。御祭神のアカルヒメが、この地で一から人生をやりなおしたことにちなみ「再出発の場所」とされているのだ。境内は、参拝者の決意を力強く後押しし、不安な心をあたたかく迎える工夫に満ちている。今日もまた、決意をするために訪れた人の背中を押し続けている姫嶋神社の魅力に迫る。

赤い玉から生まれた美しい女神

姫嶋神社の創建年ははっきりとは分かっていないが、境内には江戸時代に建てられた石灯篭が10基あり、その頃には地域からの信仰を集めていたことが分かる。
御祭神は、阿迦留姫命(アカルヒメノミコト)。古事記に登場するお姫様だ。赤い玉に虹色の光が当たって生まれてきたという美しい女神である。御祭神として祀る神社は全国でも数社しかない神様だ。

江戸時代の石灯篭

江戸時代の石灯篭

古事記によると、アカルヒメは新羅の王子の妻となったと伝えられている。結婚当初は美味しい料理を作るなど懸命に働いたアカルヒメだが、夫の傲慢な態度に耐え兼ね、ついには舟で日本に逃げ帰ってきてしまうのだ。
最初は大分の姫島に逃げてきたが、夫が追いかけてくることを恐れたアカルヒメは、さらに遠い地を求めて舟に帆を立て逃げ出す。そして辿り着いたのがここ、現在の大阪市西淀川区だったのだ。
見ず知らずの地で再出発をしたアカルヒメは、女性たちに大陸で学んだ機織り、裁縫、焼き物や楽器などの知識を教えたことから、多くの女性に親しまれ「決断と行動の神様」として信仰されるようになったと伝えられている。

姫嶋神社の御社殿

この地で再出発をされたアカルヒメは「決断と行動の神様」して信仰されていった

奥ポイント

何かをスタートさせる時は、明るく力強く

再出発を支えてきた神社

姫嶋神社の氏地は江戸時代、旧街道に面していたこともあり繁華街として栄えていた。しかし戦争で焼け野原となってしまい、戦後からの復興に苦戦した地域という時代背景もある。
そんな中で、アカルヒメの再起復活の御神徳は、地域の人々にとって大きな心の支えとなり、次第に「やりなおし神社」と呼ばれるようになっていく。
境内には戦火の傷痕が残る御神木、樹齢約900年の大楠があり「再出発の木」と名付けられている。よく見ると「すす」がまだ残っているのが分かる。

姫嶋神社の樹齢約900年の大楠

樹齢約900年の大楠の御神木

戦火の傷痕が残る御神木は「再出発の木」と言われている

戦火の傷痕が残る御神木は「再出発の木」と言われている

この大楠の根元に昔から生息していたとされる、「白蛇」を祀っているのが姫嶋神社の末社「楠社」だ。白蛇は昔から「福の神」として信仰されており、また大楠の両脇に新しい楠が育ち根が絡んでいることから「ご縁を結ぶ神社」として信仰されている。

白蛇を祀る「楠社」

白蛇を祀る「楠社」

力強く再出発の背中を押す境内

生きていれば人生のステージは自然と変わっていくもの。姫嶋神社には「やりなおし、再出発」を祈願する、老若男女さまざまな方が訪れるそう。
就職活動の決意表明に来る学生、離婚後また同じパートナーと再婚した夫婦、定年まであと1年になったサラリーマンの方などなど。新たな出発に向けて、ここで誓いを立てる方が多いのだ。
そんな人々の決意を後押しするように、境内には力強さを感じるポイントがある。それが「鳥居」と、御社殿の「千木(ちぎ)」。

姫嶋神社の鳥居

姫嶋神社の鳥居は、笠木(かさぎ)の部分が大きく天に向かって反っている!これは全国的にも珍しい形だそう。凛々しく反った鳥居はアカルヒメの強さと凛々しさを表わしていると考えられる。

姫嶋神社の御社殿の千木

もう一つのポイントが御社殿の千木(ちぎ)。社殿の上で交差している部分に注目してみると…一般的に男神を表す「外削ぎ」になっている。これも、アカルヒメが一人でこの地に移り住み立派にやりなおしを果たされた御神徳を表して、力強い男神を象徴した「外削ぎ」になったのではと考えられているそうだ。

良い風に乗って良いご縁を掴む

姫嶋神社にとって、アカルヒメが乗る舟をこの地に導いてくれた「風」は非常に大切な存在。そんな風の恩恵を受けることができるのが「献風(けんぷう)台」だ。



備え付けの扇子で風車を回すことで「風が想いを運び、良きご縁がありますように」との願いを届けることができる。

風を送る献風台

風の有難さを感じられる「献風(けんぷう)台」

風を実際に見ることはできないが、風を受けて回り出す風車の動きから、風の有難さを感じることができるお詣り方法である。

奥ポイント×2

幕に描かれた雅な歴史

今回特別に、姫嶋神社の御本殿に眠る「だんじり幕」を見せていただいた。「だんじり幕」とは祭礼で奉納される山車に飾られる幕のことだ。こちらのだんじり幕は明治初期に制作されたもので、これだけ精巧で立体的なものは貴重らしい。平成18年に職人によって修復された幕には歴史の一幕が雅に描かれている。

明治初期に制作された、だんじり幕

明治初期に制作された、だんじり幕

幕には、神功皇后が新羅を征服した神話の場面が描かれている。新羅の城を龍宮城に例え、龍王や頭に魚の冠を付けた家来、様々な肌の色の人間が登場する。

華やかに立体的に歴史の一幕を表現している

華やかに立体的に歴史の一幕を表現している

後編では、姫嶋神社の社務所で見られる少し変わった光景や、神社のこだわりをご紹介します!

基本情報

神社名

姫嶋神社 ~Himejima Jinja~

住所

〒555-0033 大阪市西淀川区姫島4-14-2
4-14-2, Himeshima, Nishiyodogawa-ku Osaka-shi, Osaka, 555-0033, Japan

地図

アクセス

阪神電車『姫島駅』から西へ徒歩6分
JR『塚本駅』から西へ徒歩23分
阪神なんば線『福駅』から東へ徒歩15分

HP

http://himejimajinja.wixsite.com/himejimajinja

こんな方におすすめ

就活、転職、門出、御朱印好き

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