枚岡神社
hiraoka jinja

枚岡神社 後編
~笑う祭、予言の儀式!?注目したいユニークな神事~

創始 皇紀前3(紀元前657年)
御祭神 天児屋根命あめのこやねのみこと比売御神ひめみかみ経津主命ふつぬしのみこと武甕槌命たけみかづちのみこと
御神徳 厄除、安産、交通安全、家内安全、合格祈願など

東大阪市の枚岡神社は神事の神様をおまつりする神社だ。全国的にも珍しい神事があり注目を集めている。神職がみんなで笑う神事とは?怖いほど当たる予言の儀式がある?枚岡神社の伝統的な神事について調べてみた。そして境内の奥にある謎の井戸やお社の正体、御朱印についてもくわしくご紹介する。

神職が笑いだすお祭りとは

枚岡神社の特殊な注連縄

枚岡神社の主祭神は、神事を司る神様、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)。多くの神社で見かけられる注連縄を初めて用いたのはアメノコヤネノミコトだと言われている。そんな神様にちなんで枚岡神社では、注連縄を新しく掛けかえる「注連縄掛(しめかけ)神事」というお祭りがある。

注連縄掛神事が行われるのは12月23日。当日、氏子の代表達によって綯われた「あげまき結び」という特殊な結び方をした注連縄を注連柱に掛け、神職たちによる祭典が行われのだ。あげまき結びは通常の注連縄についている紙垂(しで)や〆の子(しめのこ)を全て縄で表現している。

「あげまき結び」という特殊なしめ縄

注連縄の前で大笑い「お笑い神事」

この神事の面白いところは宮司が注連縄に向かって「アッハッハッ」と笑うところ。宮司の先導に続いて参拝者たちも一緒に大声で笑い、その様子から別名「お笑い神事」とも呼ばれている。これは天岩戸開きによって再び世に天照大御神の太陽の光が戻ったことを再現しているそう。12月23日頃はちょうど冬至の時期で太陽の輝きが復活する季節。笑うことで太陽の復活を喜び、新しい年が良い年となるよう祈願する神事なのだ。

注連縄掛神事・通称お笑い神事(枚岡神社 提供)

予言の儀式?粥占神事

当たりすぎ!?「粥占神事」

毎年1月11日に行われる枚岡神社の粥占神事。大釜で小豆粥を炊き、53種類の作物の豊作凶作やその年の農作に適した地帯を占う。火きりを使って丁寧に火をおこし、厳かな雰囲気の中、粥占神事が進められる。

枚岡神社の粥占神事(枚岡神社 提供)

一年の天候も占う

農作物について占った後、釜の火が鎮まってきたらカシの小枝を12本入れ、その焦げ具合で一年間の天候も占う。焦げ具合で雨量を見、煙の渦が出てきたら台風に気を付けるなどを見極めるのだ。
農耕民族だった日本人にとって豊凶作や天候を占う神事は非常に重要で、昔の人々は今よりずっと繊細に天の意図をくみ取っていたのかもしれない。
ちなみに今年(平成30年)の結果を見てみよう。〇の中の線は時期、太さは雨量、風の文字は台風を表している。これは予言レベル?今でも枚岡神社は神様の声を伝え続けている。

奥ポイント×2

枚岡神社をもっと奥まで見てみよう

本殿を右手に進むと江戸時代中期~後期頃に奉納された燈篭が並ぶ道がある。

本宮遥拝所

奥へ進むとまず見えてくるのが神津嶽(かみつだけ)にある本宮の「遥拝所」。ここから真っすぐ上の方にある本宮を参拝できる。登ることができない方はぜひここで、最初にアメノコヤネノミコトとヒメミカミが祀られた聖地に向けて手を合わせてみよう。
また春分祭や秋分祭、建国記念の日の紀元祭などの日は、こちらから各神社や皇居に向けてお詣りするそう。

本宮の「遥拝所」

地名の由来となった井戸

さらに進むと「出雲井」という井戸がある。昔からここには湧水があり、地名の「出雲井町」もこの井戸が由来となったと言われている。飲む時は一度沸騰させた方が無難。出雲井という名前から「出雲」と何かしらの関係があったのではないかと考えられている。



出雲井の横にはアメノコヤネノミコトとヒメミカミの子供、天押雲根命(アメノオシクモネノミコト)をまつった摂社「若宮社」がある。アメノオシクモネノミコトは水の神様、産業の神様として信仰されている。

枚岡神社の摂社「若宮社」

もうひとつ、井戸を発見。「白水井」と言われるこちらの湧水は少し濁っていて、昔から妊娠中の女性が飲むと母乳の出が良くなると言い伝えられている。

他にも楠木正行公にまつわる井戸や、神池が境内にはある。清らかな水と神聖な山に囲まれた聖域に建つのが枚岡神社なのだ。

枚岡神社の御朱印を解読

御朱印を読めばその神社のことがもっと分かるかもしれない。枚岡神社の御朱印にはどんな意味が込められているのだろうか。

枚岡神社の御朱印解説

枚岡神社の御神紋は「下がり藤」。アメノコヤネノミコトの子孫である中臣鎌足が天智天皇から賜った「藤原姓」にちなみ、藤の花を表す「下がり藤」が神紋として使われるようになった。春日大社をはじめ全国の春日神社も同じ下がり藤の紋を使っている。

今回は河内国一之宮、元春日とも言われる枚岡神社をご紹介した。国土平定のために建てられた太古の神社は、今も日本の平安を祈り続けている。日本の原点とも言える聖地にぜひ足を運んでみてほしい。

基本情報

神社名

枚岡神社 ~Hiraoka Jinja~

住所

〒579-8033大阪府東大阪市出雲井町7番16号
7-16, Izumoicho, Higashiosaka-shi, Osaka, 579-8033, Japan

アクセス

近鉄奈良線「枚岡」駅から徒歩3分

HP

http://www.hiraoka-jinja.org/index.html

こんな方におすすめ

神話好き、自然好き、しめ縄好き、お祭り好き

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