出雲大社
izumo oyashiro

出雲大社 前編
~何度でも行きたい!出雲の神様と出会う旅~

創建 神代の時代
御祭神 大国主大神おおくにぬしのおおかみ
(だいこくさま)
御神徳 縁結び

縁結びの神社としてたいへん有名な出雲大社。なぜ出雲大社は縁結びの神様なのか。その理由と、より神様を感じられる特別な参拝方法をご紹介する。古代の御本殿跡や、出雲大社でしか見られない見所もたどってみた。

出雲大社のただしい読み方

まずは正しい名前を確認しよう

出雲大社と言えば、縁結びの聖地としてもっとも有名な神社の一つ。今日も多くの女性たちがそのご利益にあやかろうと訪れている。ただ、正しい神社名を知らない人は意外と多い。出雲大社は正確には「いづも おおやしろ」と読むのだ。

出雲大社の正式呼称は「いづも おおやしろ」

「おおやしろ」とは大社の大和読みで、古代の出雲大社は「大社(おおやしろ)」と呼ばれていたそう。それにならって、いまでも出雲大社は「いづもおおやしろ」と呼ぶのが正式とされている。

出雲の神様はどうして
ご縁を結んでくださるのか

「むすび」の力を司る神様

そんな出雲大社はなぜ「縁結びの神社」として人気なのだろうか。
それは御祭神の大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)が、目に見えない世界の「むすび」の霊力を司っているからなのだ。

出雲大社の御拝殿

出雲大社の御拝殿

オオクニヌシは遠い神代の時代、出雲の国に農業・漁業・殖産・医薬といった様々な知恵を授け、「国づくり」の大業を成し遂げられた神様。オオクニヌシの築いた国は「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みずほのくに)」と呼ばれ、あらゆるものが豊かで力強い国だったそう。
すばらしい国を造り上げたオオクニヌシは、その後、皇室の祖神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)に国をお譲りになった。これが古事記の中でも有名なシーン「国譲り」だ。



境内には国譲りのシーンを表した「ムスビの御神像」がある

豊かな国づくりの大業をはたしたオオクニヌシに、アマテラスは次のような言葉を伝えたそう。

"これからは、この世の目に見える世界の政治は私の子孫があたることとする。あなたは目に見えない世界を司り、そこにはたらく「むすび」の霊力によって人々を幸福に導いてください。"

これが、オオクニヌシをお祀りする出雲大社が「縁結び」の神社とされている由縁。多くの知恵を授け、目に見える幸せを生み出してきたオオクニヌシが、今は目に見えない幸せ=ご縁を司っているのだ。

奥ポイント

言い伝えは本物だった!
古代ロマンを蘇らせた柱

アマテラスは、国を譲ってもらった代わりにオオクニヌシに”壮大な宮殿”を造って差し上げた。「天日隅宮(あめのひすみのみや)」という名の宮殿は、「二つと同じものが無い壮大な神殿」と称えられたという。現在、出雲大社の御本殿の高さは24メートルだが、古代は高さ48メートルの御本殿だったと言い伝えられている。

古代は高さ48メートルの御本殿だったと言い伝えられている


宝物殿にある高層御本殿の模型

出雲大社の宮司家に伝わる御本殿の平面図によると、3本の大木を鉄輪で束ねて1本の柱とし、高層の社殿を支えていたそう。最近までその信憑性は希薄だったそうだが、平成12年に、境内から3本束ねの柱が発掘され48メートルの御本殿の一部が蘇り、言い伝えが本当だったことが証明された。

宝物殿に保管されている「心御柱」

八足門の階段下に柱の発掘跡が印されている

ここだけの特徴的な見所

出雲大社には、他の神社ではあまり見られない特徴がいくつかある。

下り参道

神社の参道は、通常登り坂や登り階段になっていることが多いが、出雲大社の場合は下り坂。全国でも珍しい参道だ。通称「下り参道」と呼ばれており出雲大社の特徴の一つとなっている。
その理由は、もともと江戸時代のはじめ頃までこの参道のあたりが“山”だったから。山を開拓するかたちで表参道ができたので地形を活かした「下り坂」になったのだという。
古くは四方を山に囲まれた神社だったということに思いを馳せながら通ってみよう。

全国的に珍しい下り参道

上位の位置

現在の神道・神社の考え方では「左を上位」とする考えがある。多くの神社では神様から見て左側、つまり参拝者から見ると右側を上位としている。例えばしめ縄は右側から始まり左端が細くなっていくのだ。しかし出雲大社の場合はこれが逆。しめ縄は左側から始まり右端が細くなっている。

御拝殿のしめ縄

これには様々な理由が考えられるが、一説には通常と逆の考え方があるのではないかと言われている。つまり「参拝者から見て左側を上位にしよう」との考えに基づき通常と逆になったのではないかと考えられている。

上位の考え方

神様の向き

最後の特徴は神様の向かれている方角。多くの神社は東向きか南向きに建てられており、太陽の陽を浴びやすくなっている。出雲大社の拝殿・本殿も"南向き"に建っているのだが、本殿内部の「御神座」という中心地のみ"西向き"になっているのだ。

御神座の向きは西側

これにはさまざまな説があるようだ。例えば「神様と直接面と向き合うのは失礼だから」という説。他には「稲佐の浜のある海の方向を向いている」という説もある。
神職の方に伺ったところ、「文献には残っていないが、山陰地方には西向きの御神座を持つ神社がいくつもある」とのこと。それらは御神木や神池など"その神社にとって大事な場所を向いている"という共通点があるそうだ。
同じように考えると出雲大社の場合も、海の安全を守り日本を外敵から守るため、また神在月になると八百万の神々が集まってくる稲佐の浜があるため、西を向いているのではないかと推測できる。


八足門、楼門、御本殿などは南を正面にして建つ


御神座は西向き、西からも参拝できるようになっている

奥ポイント×2

御砂をいただく特別な参拝方法

出雲大社で「御砂」をいただく参拝方法があるのはご存知だろうか。それができるのは御本殿の真裏にある摂社「素鵞社(そがのやしろ)」。こちらの砂を持ち帰ってお守りとしたり、家のまわりや田畑に撒いたりすることで神様のご加護をいただくという信仰が古くからあるのだ。

御砂をいただける「素鵞社」

摂社 「素鵞社(そがのやしろ)」

この御砂、ただ持ち帰るだけではダメ!御砂を手に入れる前に、まずは境内から800メートル程離れた稲佐の浜に行く必要がある。

稲佐の浜
稲佐の浜


浜辺の砂を採る

まずは浜辺の砂を採り、それから素鵞社をお参りして稲佐の浜の砂を床縁下に置き、従来からある素鵞社の御砂をいただいて帰るのだ。


素鵞社の左右の床縁下に御砂がある


御砂をいただいて持ち帰る

御本殿の真後ろにある「素鵞社」は、出雲大社の摂末社の中でも特別なお社なのだそう。後編ではその理由と、この地に八百万の神々が集まる「神在月」をご紹介する。

基本情報

神社名

出雲大社 ~Izumo Oyashiro~

住所

〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195
195, Taishacho Kizukihigashi, Izumo-shi, Shimane, 699-0701, Japan

アクセス

JR出雲市駅から一畑バス[出雲大社・日御碕・宇竜行き]で25分、出雲大社前下車

HP

http://www.izumooyashiro.or.jp/

こんな方におすすめ

女子旅、神話好き、旅好き

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