住吉大社
sumiyoshi taisha

住吉大社 前編
~みそぎの神様と国宝社殿の秘密~

創建 211年(神功皇后摂政11年)
御祭神 底筒男命そこつつのおのみこと
中筒男命なかつつのおのみこと
表筒男命うわつつのおのみこと
息長足姫命おきながたらしひめのみこと
(神功皇后)
御神徳 禊祓、海上守護、安産など

全国に約2300社ある住吉神社の総本社「住吉大社」。島国日本の海の安全を守り、穢れを祓ってくださる神様は、どのようにしてこの地に鎮座されたのだろうか。長い歴史を紐解くと、子を思う母の願い、安産の聖地、夫婦円満の神様、あらゆる発達を祈願するお参りなど、人々の幸せに寄り添う様々な見所があった。境内をゆっくり回りながら、国宝の社殿や樹齢1000年の楠木など、スケールの大きな歴史にも迫る。

禊祓を司る神様、住吉大神!

禊祓(みそぎはらい)から生まれた三兄弟

住吉大社の御祭神は、住吉大神(すみよしのおおかみ)と息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)。息長足姫命は一般に神功皇后(じんぐうこうごう)と呼ばれる。
住吉大神とは、
●底筒男命(そこつつの おのみこと)
●中筒男命(なかつつの おのみこと)
●表筒男命(うわつつの おのみこと)
の三男神のことだ。
この住吉大神はイザナギノミコトが黄泉国(よみのくに)という幽界から戻り、海で穢(けが)れを洗い清めた時、「海の底」「海の中程」「海の表面」からそれぞれ誕生したとされている。
この誕生の経緯から住吉大神は、「禊(みそぎ)・祓(はらい)」を司る神と呼ばれているのだ。

住吉大社の鳥居

住吉大神と神功皇后を祀る住吉大社

どうして穢れを祓わなければいけないの?

神社、神道において「穢(けが)れ」は特に悪しき状態とされている。穢れは日常生活の中で知らず知らずのうちに付いてしまうもの。例えば気付かないうちに虫を踏んでしまったり、誰かを傷付けていたり。日本人は昔から、そういった穢れを放っておくと、個人や社会的な災いにつながると考えてきたのだ。そのため住吉大神の禊祓の御神徳は広く信仰されるようになっていった。
住吉大社の夏祭り「住吉祭」は「おはらい」とも呼ばれており、大阪はもとより摂津国・河内国・和泉国ひいては日本中をお祓いするという意味がある重要な神事とされている。

禊祓の神様が祀られた住吉大社

禊祓の神様が祀られた住吉大社

境内に「ウサギ」がいる訳

住吉大社を創建したのは御祭神にもなっている神功皇后。神功皇后は、新羅出兵に当たり住吉大神のご加護を得て見事、新羅遠征を果たすことができた。その凱旋の途中でご神託があり、住吉大神をこの地に祀ることにしたのだという。
鎮座の祭が行われた日は、神功皇后摂政11年「辛卯年の卯月の上の卯日」。卯=ウサギが続く日であったため、境内にはウサギの手水舎や、無病息災を願う「なでうさぎ」がいるのだ。

手水舎のウサギ

手水舎のウサギ

「なでうさぎ」

第四本宮前にある「なでうさぎ」を撫でて無病息災を祈る

奥ポイント

社殿は〇〇から見てみる

4つの本宮の位置と回り方

住吉大社には4つの棟があり、それぞれ底筒男命、中筒男命、表筒男命、神功皇后をお祀りしている。4棟はすべて海に向かって西向きに建ち、第一本宮~第二本宮~第三本宮が縦に並んでいる。これは大海原をゆく船団を表しているとも言われ、全国でも類を見ない建築配置なのだそう。

第一本宮~第四本宮の位置(住吉大社提供)

第一本宮~第四本宮の位置(住吉大社提供)

各本宮の参拝の順序は特に決められていない。好きな順序で回ろう。

第一本宮
第一本宮(底筒男命)

第二本宮
第二本宮(中筒男命)

第三本宮
第三本宮(表筒男命)

第四本宮
第四本宮(神功皇后)

住吉大社の社殿は横から見るとより深くなる

住吉大社は、奈良時代より伊勢神宮と同じように20年に一度の式年遷宮の制度が定められており、749年(天平勝宝元年)に第一回が行われた。一時中断した時代もあったが、長きにわたり繰り返し行われ、2011年(平成23年)には修繕を施して49回目の遷宮が「御鎮座1800年記念大祭」と合わせて行われた。
4つの棟すべての本殿部分は、1810年(文化7年)に造営されたもので国宝指定を受けている。「住吉造(すみよしづくり)」という神社建築史上最も古い様式なのだそう。

国宝の本殿

住吉造の本殿は国宝指定されている

興味深いのは、横から見ると本殿(左側)と拝殿(右側)の造りが大きく異なること。
国宝の本殿は「住吉造」という直線的な日本古来の建築様式。
重要文化財の拝殿は曲線的で、時代の流れとともに大陸(中国)からの影響を受けた様式と考えられる。

本殿は日本式、拝殿は大陸文化の要素を取り込んでいる

本殿は日本式、拝殿は大陸文化の要素を取り込んでいる

奥ポイント×2

住吉さんと「松」の関係

住吉大社の巫女さんは正式には「神楽女(かぐらめ)」と呼ばれるそう。伝統ある神楽を継承し、神楽舞に奉仕する役目を担っている。
そんな神楽女の装束で特徴的なのが、「松」と「白鷺(しらさぎ)」と「鏡」の頭飾りだ。

創建の故事にちなんだ頭飾り

創建の故事にちなんだ頭飾り

大昔、このあたりは海辺で松の名所だったそう。神功皇后は、ここの樹に三羽の白鷺が止まったため、それを住吉三神の使いだと思われ、この地に祀ることを決めたと伝えられている。そんな故事にちなんで、頭飾りが「松」と「白鷺」になっているそうだ。

境内を細かく見てみると、創建にちなんだ見所が沢山ある住吉大社。後編では更に神社の奥を歩いてみた。

基本情報

神社名

住吉大社 ~Sumiyoshi taisha~

住所

〒558-0045 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目 9-89
9-89, 2tyoume, Sumiyoshi, Sumiyoshi-ku Osaka-shi, Osaka, 558-0045, Japan

アクセス

南海本線「住吉大社駅」から東へ徒歩3分 ・南海高野線「住吉東駅」から西へ徒歩5分
阪堺線 「住吉鳥居前駅」(路面電車)から徒歩すぐ

HP

http://www.sumiyoshitaisha.net/

こんな方におすすめ

神話好き、安産祈願、写真好き

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