出雲大社
izumo oyashiro

出雲大社 後編
~神在祭の役割と、絶対に立ち寄りたいスポット~

創建 神代の時代
御祭神 大国主大神おおくにぬしのおおかみ

(だいこくさま)
御神徳 縁結び

縁結びの神社として有名な出雲大社の神様と、より深く繋がれる特別な参拝方法をご紹介する。旧暦神無月に行われる神在祭とは?この期間に気を付けた方が良いことは?神在月の意味や、より出雲大社参拝を満喫するための上級テクニックをご紹介する。

絶対に外せない〇〇の参拝

御社殿の真裏に素鵞社がある理由

出雲大社を参詣する際、必ず訪れてほしいのが摂社の「素鵞社(そがのやしろ)」。前編でもご紹介した「御砂を持ち帰る」ことができるお社だ。場所は瑞垣の外、御本殿の真後ろにあり、背後には八雲山がそびえ立っている。こちらは出雲大社境内にある11の摂末社のなかでも特別な神社で、前々回の遷宮ではここが御本殿の仮のお宮となっている。
そんな素鵞社は、オオクニヌシの父神とされる素戔嗚尊(スサノオノミコト)をお祀りするお社だ。

スサノオノミコトをお祀りしている素鵞社(そがのやしろ)

スサノオノミコトと言えば、出雲の地でヤマタノオロチを退治した神様。戦国時代は"武神"への信仰が篤かったため、英雄であるスサノオノミコトは信仰を集めたそう。オオクニヌシの父神でもあるスサノオノミコトが御本殿の真後ろに構えていらっしゃるのは当然なのかもしれない。
ちなみにここから見る御本殿の後ろ姿は必見!

一番近くで御本殿を見ることができる

そんな素鵞社を参拝した後は、背後まで回ってみよう。八雲山の岩肌に触れることができる。

出雲大社の真裏にある八雲山の岩肌

素鵞社の背後にある八雲山の岩肌

禁足地である八雲山に触れられる貴重な場所だ。ぜひ太古から続くエネルギーを感じてみよう。
ちなみに社殿の一部に肩が当たると肩こりが治ると地元では言われているそう。今はちょっと高めの造りになっている。

肩が当たると肩こりが治ると言われる素鵞社の社殿

奥ポイント

神在祭のときの参拝のすすめ

神々が集う「神在月」とは

通常「神無月」と呼ばれる10月のことを、出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼ぶ。この月は八百万の神々が出雲のオオクニヌシのもとにお集まりになり、会議を開かれると古来より言い伝えられているのだ。
出雲大社では、旧暦10月10日の「神迎祭(かみむかえさい)」にはじまり、「神在祭(かみありさい)」、「神等去出祭(からさでさい)」などの神事が厳かにおこなわれる。

八百万の神々をお迎えする「稲佐の浜」

全国から集まられた神々は、人間には知ることのできない人生の出来事諸々を神議り(かむはかり)にかけて決めると言われており、男女の結びといった人々の「ご縁」も、この時に決められるそう。

神迎祭が行われる「神楽殿」

神在祭のときの参拝はここに注意!

神在祭の期間は、神々がご縁を結ぶ会議を開かれるとあって、特に参拝者も多くなる。しかしこの期間の参拝にはある注意が必要だ。それは「騒がず静かにすること」。
神々が会議をされている間は、忌む(静かに生活する)ことが大切で、神職の方々も騒がず静かにご奉仕するように心がけているのだそう。
参拝者のわれわれも、古来からの"忌む"という在り方を理解して参拝をすると、神様からもっと「良いご縁を繋げてあげよう」と思ってもらえるかもしれない!

八百万の神々のお宿「十九社」

神々のお宿とされる「十九社」は御本殿の東と西にあり、東十九社には出雲大社より東の神々が、西十九社には出雲大社より西の神々が宿泊されるそう。ちなみに十九とは"数限りない"という意味の数だ。
神在祭の間はそれぞれの扉が開かれ、見えない世界は確かに存在すると思えるような光景を目にすることができる。

今年の神在祭はいつ?

神在祭は旧暦に合わせて斎行されるので年によって日付が変わる。
今年、令和元年(2019年)は以下のスケジュールで行われる。

神迎祭  :11/6(水)
神在祭  :11/7(木)11日(月)13日(水)
※縁結大祭は11日、13日
神等去出祭:11/13(水)22日(金)
 
出雲観光協会 神在月の詳細はこちら

出雲大社のもう一つの楽しみ方、
ウサギめぐり

御祭神オオクニヌシとウサギの関係

出雲大社の境内には多くのウサギ像がいる。これは御祭神のオオクニヌシが傷を負って苦しんでいるウサギを助けたという「因幡の白兎」の話にちなんでいる。

「因幡の白兎」とは、ワニザメをだましてその背に乗り、海を渡ってやってきた1羽のウサギが、上陸直前にワニザメから皮を剥がされ、さらにオオクニヌシの兄神たちの教えをそのまま信じて潮を浴び、痛くて泣いていたところを、オオクニヌシが通りかかって正しい治療法を教えて救ってあげたという話だ。

因幡の白兎をモチーフとした「御慈愛の御神像」

どんどん増えていった境内のウサギ像たち。現在50羽程のウサギ像があり、一つとして同じものはなくバラエティーに富んだ表情や形をしている。このウサギたちは元々、出雲大社の奨学金制度を利用した方々からお礼に贈られたことが始まりなのだそう。ウサギには感謝の想いがこめられていたのだ。


参道の西側にある神苑のウサギたち


縁むすびの碑のウサギ

珍しいウサギも発見!平成25年に創建されたばかりの「野見宿禰神社(のみのすくねじんじゃ)」のそばには、ふんどし姿のウサギがいる。
こちらに祀られている野見宿禰は、第13代出雲大社宮司のことで、相撲の祖でもあるそうだ。


野見宿禰神社

野見宿禰神社のそばには、ふんどし姿のウサギがいる
ふんどし姿のウサギ

今でも増え続けているという出雲大社のウサギたち。自分だけのお気に入りウサギを探すのも楽しい参拝かもしれない。

奥ポイント×2

上級参拝テクニック

八百万の神々が集まる出雲大社で、よりご縁を頂戴できる上級テクニックをご紹介!

神様は穢れが苦手!まずはここでお清めを

出雲大社の下り参道を歩くとすぐ右手に見えるのが「祓社(はらえのやしろ)」。名前の通り参拝前に心身を清め、お祓いをするところだ。

下り参道と、御拝殿の横の2箇所に祓社がある

祓社は瀬織津比咩神(セオリツヒメノカミ)をはじめとする祓戸四柱の神様をお祀りしている。神様は穢れた状態を嫌うと言われており、清めることを大切にしているそう。人間の私たちも心身がより清められた状態の方が、神様への願い事も素直にできるはず。いらないものを削ぎ落して本来の自分で御本殿へ進もう。

奇跡の言い伝えが残る馬と牛にご挨拶

手水舎を過ぎ、銅鳥居を通ると左手に「神馬神牛像」がある。牛をなでると学業成就、馬をなでると安産のご利益があると言われているそう。

神馬神牛像

牛と言えば天神様こと"菅原道真"。菅原道真公の血脈をたどれば出雲大社の宮司家とつながるため、牛は出雲大社にとって特別なのだ。
また神様の乗り物とされている馬は、制作者の妻が出産を控えていたにもかかわらず完成まで出産を遅らせることができたため、安産の御神徳があるとされているそう。(むかしは出産は赤不浄と言われ、産後しばらくは本人も家族も神社へ行けなかったそう)


学業成就の神牛像


安産祈願の神馬像

御社殿全体が良く見える穴場スポット

御拝殿に向かって右側にある宝物殿は、御本殿側の側面がガラス張りになっており、イスも置かれている。ここからは雄大な御本殿をゆっくり見ることができる。宝物殿に入ったら、ここのイスでしばしの御社殿見学をオススメ。

宝物殿から御本殿が良く見える


八足門、楼門、御本殿の屋根


御本殿の千木や鰹木が良く見える

日本一の日の丸はココから撮る

出雲大社の神楽殿そばに掲げられた国旗は、13.9メートル×9メートル、畳75畳分の大きさは日本一と言われている。掲揚台の高さは47メートルで、平安時代48メートルあったと伝わる御本殿より1メートル低く作られたそう。そんな名物国旗を撮影するなら御本殿の北東にある文庫あたりがオススメ。本殿と国旗を一緒に見ることができる。


御本殿や摂社の間から国旗が見える

日本一の国旗と御本殿を一緒に撮る撮影スポット
日本一大きい出雲大社の国旗

出雲大社の御神木に会おう

出雲大社でもっとも印象的な木といえば「命主社(いのちぬしのやしろ)」のそばにある樹齢1000年程のムクの木。迫力のある佇まいは一見の価値あり。境内外にあるので少し移動が必要だが参拝の最後にでも訪れてほしい場所だ。


命主社(いのちぬしのやしろ)

出雲大社の御神木 樹齢1000年程のムクの木
樹齢1000年程のムクの木

今回は縁結びで有名な出雲大社を巡ってみた。
"ご縁"とは目に見えないもの。"八百万の神々"も私たちの目には見えない。でもだからこそ大切にしなければならないものなのだ。出雲大社を訪れる旅は、そんな儚い結び付きの大切さに気付く旅なのかもしれない。

基本情報

神社名

出雲大社 ~Izumo Oyashiro~

住所

〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195
195, Taishacho Kizukihigashi, Izumo-shi, Shimane, 699-0701, Japan

アクセス

JR出雲市駅から一畑バス[出雲大社・日御碕・宇竜行き]で25分、出雲大社前下車

HP

http://www.izumooyashiro.or.jp/

こんな方におすすめ

女子旅、神話好き、旅好き

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【永久保存版】新嘗祭とは何の日か、新米はこの日まで食べてはいけない?
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