父の日直前!古事記に登場する
インパクト大な父親特集

6月の第3日曜日は「父の日」!母の日と同様アメリカを起源とするイベントで、お父さんに感謝の気持ちを伝える日とされています。母の日に比べると少し印象が薄い?とも言われていますが、日本の神様の中には、母親に負けず劣らずインパクトのある父親がいらっしゃいます!
父の日と合わせて、ぜひ神話の中の強烈なお父さんキャラに思いを馳せてみてください。
関連記事:母の日直前!日本神話に出てくるインパクト大な母親トップ3!

「大切な妻をよくも死なせたな!」
イザナギノミコト

日本の国土を作った神様は「イザナギノミコト」「イザナミノミコト」という夫婦神と言われています。天上界から地上に降りてきた2神は、淡路島・四国・九州といった国土を生み、海の神・山の神・穀物の神などの神様を生みました。つまり自然あふれる日本を創生した父と母と考えられるでしょう。2神は協力し合って沢山の神様をお生みになったのです。
しかし!!事件は火の神様「ヒノカグツチノカミ」を生んだときに起こります。
火の神様を出産した時、妻のイザナミは大やけどを負い、命を落としてしまうのです。愛する妻を失ったイザナギは、怒りのあまりヒノカグツチを切り殺します。なんということでしょう!それでもイザナギの気持ちはおさまりません。死者の世界「黄泉国(よみのくに)」へ妻を取り戻しに向かいました。

イザナギ

国土を創るイザナギとイザナミ

黄泉国で妻と再会できたイザナギでしたが「黄泉国の神に許しをもらってくるから、それまで私の姿を見ないで」と約束させられます。見ないで!と言われると見たくなってしまうのは神様も同じのようです。約束を破って覗いてしまいました。すると愛する妻イザナミは、腐敗した死人の姿になっていたのです。
醜い姿を見られたイザナミは当然怒ります!!「何見てんのよー!呪いとして毎日お前の国の民を1000人殺してやるー!」と。全速力で逃げるイザナギはこう返します。「それならこっちは毎日1500の産屋を建ててやるー!!」
黄泉国から戻ってきたイザナギは、死の穢(けが)れを清めようと水に入り禊祓(みそぎはら)いをしました。そしてその時に数多くの神様を生み出したのです。
最初に右目を洗うと「ツクヨミノミコト」、左目を洗うと「アマテラスオオミカミ」、鼻を洗った際には「スサノオノミコト」が生まれました。この3神は特に尊い子とされ「三貴子(さんきし)」と呼ばれるようになりました。
多くの神々をお生みになったイザナギですが、子供を切り殺したり、イザナミと大喧嘩の末別れたり、なかなか波乱万丈なストーリーを展開した神様のようです。

みそぎ池

イザナギが禊祓いをしたと伝わるみそぎ池(宮崎県)

イザナギノミコトをお祀りする神社
兵庫県「伊弉諾神宮」
滋賀県「多賀神社」

「娘の夫にふさわしいか命をかけて証明してみろ」
スサノオノミコト

三貴子の末っ子「スサノオノミコト」は母親のイザナミがいないことを嘆きいつまでたっても泣いたり暴れたり…とても手を付けられない神だったようです。父親のイザナギはついにスサノオを追放します。その後向かった姉のアマテラスが治める高天原(たかまのはら)でも大暴れ。こちらも追放されてしまいます。そうやってスサノオがたどり着いたのが出雲でした。
ここでスサノオは、村人を苦しめていた「ヤマタノオロチ」を見事退治。いきなりスーパーヒーローになりました!そして無事に助かったクシナダヒメと結婚します。

ヤマタノオロチ

ヤマタノオロチを退治するスサノオノミコト

そんなスサノオノミコトは、古事記によると6代後の子孫、オオクニヌシノカミが活躍していた時代にもインパクト大な登場をしています。それが、娘スセリビメの結婚問題です。
この時代、根の国(ねのくに)で暮らしていたスサノオのもとに、オオクニヌシが駆け込んできました。いじわるな兄たちに命を狙われ逃げてきたのです。ここでオオクニヌシとスサノオの娘、スセリビメとが出会い恋に落ちます。しかしそこはクセの強いスサノオ。簡単には娘を渡しません。オオクニヌシに多くの罠を仕掛けます。ヘビの部屋やムカデとハチの部屋に寝させたり、焼き殺そうとしたりしたのです。容赦ありません。オオクニヌシはスセリビメに助けられ、何とかこのピンチを切り抜けることができました。無事にスセリビメと逃げ、夫婦となることができたのです。
このように、暴れん坊からヒーローになり、娘の夫に多くの試練を与えたスサノオノミコト。古事記の中でもとりわけインパクトのある男神です。

スサノオとクシナダヒメを祀る氷川神社

スサノオノミコトをお祀りする神社
埼玉県「氷川神社」
京都府「八坂神社」

「大事なことは息子に相談だ」
オオクニヌシノカミ

「オオクニヌシノカミ」にはスセリビメを含む6人の妻、180人の子供がいたと言われています。それだけ多くの土地を支配していたとも言えます。「大国主(オオクニヌシ)」という名からも分かるように、地上の支配者となったのです。しかし、それを高天原(たかまのはら)から見ていたアマテラスは、直属の子孫に地上を治めさせたいと考えました。そこで次々と使者を送りますが、なかなか思うように進みません。ついに、特に勇敢な神・タケミカヅチノカミを遣わしたのです。

オオクニヌシノカミ2

オオクニヌシノカミ

タケミカヅチは、オオクニヌシに国を譲るよう迫りました。するとオオクニヌシは意外な答えを返します。「息子のコトシロヌシノカミに聞いて欲しい」と。大事な決断を息子に託してしまったのです。責任放棄?!いいえ、違います。オオクニヌシは、それまで自分を支えてきてくれたコトシロヌシを特に信用していたのです。またコトシロヌシは、神様の言(コト)葉を代(シロ)わりに述べるご神託の役目を担っていたとも言われています。
コトシロヌシは「アマテラスの子孫神にこの国をお譲りしましょう」と即座に答えました。こうして争うこともなく「国譲り」は成し遂げられたのです。
地上をおさめる絶対的な王でありながら、その地位に固執することなく平和な政権交代を果たしたオオクニヌシノカミ。学べる点が多くありそうですね。
関連記事:出雲大社 前編 ~何度でも行きたい!出雲の神様と出会う旅~

出雲大社

国譲り後、オオクニヌシノカミが祀られた出雲大社

オオクニヌシノカミをお祀りする神社
島根県「出雲大社」
東京都「大國魂神社」

コトシロヌシノカミをお祀りする神社
島根県「美保神社」

いかがでしたか?
子どもや子孫に容赦のない神様もいれば、信頼関係の厚い親子の神様もいらっしゃる。日本の神話の神々からは、成功も葛藤も多くのことを学べるのですね。

SNSでフォローする

facebook
Twitter
LINE
Instagram

【永久保存版】新嘗祭とは何の日か、新米はこの日まで食べてはいけない?

まんが古事記を読めばもっと、神社が面白くなる!

あなたの今日の運勢は?おみくじで毎日運だめし

神社検索

【永久保存版】新嘗祭とは何の日か、新米はこの日まで食べてはいけない?
まんが古事記を読めばもっと、神社が面白くなる!
Facebook
TOPに戻る