新元号が「令和」に決定
「令和」に改元
来月1日の新天皇ご即位に先立ち、新しい元号が今日発表されました。新元号は「令和(れいわ)」です!皆さまどのような感想を持たれましたか?
これまで日本で使われてきた247個の元号のうち、「令」という字は一度も出てきたことがありません。初登場の漢字です。また国書(日本の古典)から引用された元号も、確認できる限り初めてなのです。これまでの元号は中国の古典から引用していました。なんとも、新しい時代を象徴しているように感じます。
「万葉集」は今から1200年あまり前の歌集で、「令和」の言葉は万葉集巻五、梅花の歌三十二首の序文から引用されました。
「初春の 令 月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風 和らぎ、梅の鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮(はい)後の香(こう)を薫(かおら)す」
太宰帥(だざいのそち、太宰府政庁の長官)である大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅に人々が集まり宴会を開いた時の様子を読んだもので、現代語に訳すと『時は初春の二月、気候はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っています。』となります。なんと豊かな表現力なのでしょうか。
万葉集は、一般庶民含め地位、身分に関係なく幅広い人々の歌がおさめられた国民文化を象徴している国書で、政府は新元号に「人々が美しく心を寄せあう中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明しました。
太宰府天満宮の紅梅
「令和」と太宰府
新元号「令和」の発祥は、福岡県太宰府市ということになります。今後太宰府が注目を集めるのは必至でしょう。しかも太宰府天満宮の御祭神である菅原道真公は元号(年号)と非常に関わりのある神様なのをご存知ですか?
昔は元号案を出した学者のことを「勘申者(かんじんしゃ)」と言っていましたが、その中には菅原道真公の子孫である菅原家の学者が長く関わっていたと言われているのです。菅原道真公やその子孫は、さまざまな面から日本国の歴史を彩ってきたのですね。
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ちなみに、太宰府天満宮へ向かう、地元福岡の西鉄電車の観光列車は「旅人(たびと)」という名前です。もちろん大伴旅人に由来しています。これは「旅人」に乗って、新元号「令和」発祥の地である太宰府を訪れるしかありませんね!